OANDA オープンオーダーブックについて(その1)
折角なので、OANDAのオーダーブックを使いたいと思っています。私のトレードスタイルはトレンドライン(水平線も含めて)+出来高で今後を極めていきたいです。オーダーブックはある意味出来高なので、使いたいと思っています。
・オープンオーダーの指値は「2%で反転」がポイントです。
・ボリュームのは1%ですが、指値注文の場合だと2%で反転しやすく、1%程度の場合は抜けやすい傾向があります。
・ボリュームのある価格に達したら、反転しやすいと予想ができます。
理由は指値は利益確定、つまりエントリが有利な取引なので、上昇トレンドでの指値なら、ロングエントリの利益確定、つまりショートになります。トレードと逆になるので、大量の注文が確定できた場合、相場が下落トレードに反転する。下落トレードでの指値もその反対になる。
キリ番を巡る攻防は、OANDAで相場の壁に注目!
FXでは、相場の壁を見ることで勝率を上げられる可能性が高まります。
相場の壁というのは、
「このラインで価格が反転するかも知れない。」
「このラインを抜けたらさらに上昇(下降)しそうだ。」
といった、転換となる節目のラインのことです。
これから紹介する情報は、とくにキリ番(=ラウンドナンバー、ダブルオー)といって110.00円、111.00円など切りのいいレートでの攻防時に重宝したりします。
このような相場の転換を判断するにあたって、FX業者が無料で公開している顧客の売買情報ツールが、非常にトレードに役立ちます。
こちらのページでは、OANDA Japanのオーダーブック(オープンオーダー、オープンポジション)という開示情報を元にして、売買判断に活用する方法を紹介していきます。
このやり方は、誰でもかんたんに無料で導入できる分析手法ですので、ぜひ取り入れてみてください。
オープンオーダー、オープンポジションとは?
まず、オープンオーダーとオープンポジションについて解説します。
オープンオーダーとは、未執行注文のことです。
顧客は、どのあたりのレートで買い注文・売り注文をしているか、売買の比率を知ることができます。
オープンポジションとは、未決済ポジションのことです。
顧客の保有ポジションは、どのくらいの価格帯にあるか、ポジションの比率を知ることができます。
これらの情報を元にして、分析をしていきます。
オープンオーダーとオープンポジションの見方
それでは、このツールの見方から覚えていきましょう。
グラフの4つの範囲は、以下となります。
他のトレーダーがどのような注文を入れているのか、どのようなポジションを保有しているのかを、選択した通貨ペアごとに見ることができます。
オープンオーダーの使い方
新規で指値/逆指値を入れている顧客の注文も含まれていますが、保有ポジションがある顧客の損益別による決済オーダーで区分すると以下の通りです。
左右の買いか売りかは上部にある「Sell」「Buy」で判断することができます。
オープンオーダーで「指値注文」を分析
まずは、オレンジ色の指値注文に注目していきましょう。
2019年10月〜11月上旬にかけて、米ドル/円は上昇トレンドの相場でした。
この条件を元に、今後どのような値動きになるのか、ストーリーを組み立てていきます。
ロングポジションを、キリのいい109.50円で利食いしたいトレーダーが多くいるのが確認できます。
上昇トレンド中で現在レートからそれほど離れていませんので、この水準までは上昇する可能性は高そうです。つまりこの水準はもみ合い、上抜け、反転のタイミングになりやすいと予想できます。
なお上の画像ではもっともボリュームがありのは1%ですが、指値注文の場合だと2%で反転しやすく、1%程度の場合は抜けやすい傾向があります。
逆に下落した場合は、109.050円(109円のひとつ上のライン)まで指値/逆指値ともにオーダーが薄いので、109円まではあっさり下落する余地もありそうだと考えられます。
また「売り指値全体」ではオレンジの割合が大きいので、含み益となっており利食いしたいトレーダーが多いことがわかります。
後述しますが、オープンオーダーの指値は「2%で反転」がポイントです。
ボリュームのある価格に達したら、反転しやすいと予想ができます。
オープンオーダーで「逆指値注文」を分析
為替変動の損失リスクを抑えるため、あらかじめ損切りラインとして発注されるのが逆指値注文です。
オープンオーダーでは、指値注文よりもこの逆指値注文の方が極めて重要です。
FXでは、他のトレーダーの損失によって己の利益となるのは周知の事実ですが、大口の投資家や機関投資家にとって、この逆指値が多く重なっている部分が、他のトレーダーのポジションを刈りとる狙い目として、かっこうのターゲットとなります。
溜まったストップロスを巻き込んで相場変動の勢いが増すほど、プロの投資家が儲けるといったカラクリなのです。
このような背景を想定して相場を分析すると、オープンオーダーの逆指値が集まっているラインまでは、相場は動きやすいと予想ができます。
それでは再びグラフをみていきましょう。
逆指値のオーダーは「1%がひとつの目安」となります。
キリ番の109.50円まで上昇したら、ストップロスの巻き込みを狙うオーダーにより、ショーターが狙われやすいと考えられます。
多くの逆指値が集中しているラインまでは、相場は動きやすいのが特徴です。
そして、逆指値が集中しているラインを抜けた場合、多くの損切りが約定したことを意味しますので、勢いのある値動きになりやすいと予想ができます。
オープンオーダーの活用方法まとめ
オープンオーダーを上手く使うポイントは、現在レートから近い位置でボリュームのある部分を探すことです。
現在レートに近い位置であり、なおかつ注文数量が多いほど、直近の値動きに影響があるからです。
この絵をよく理解しよう!
指値ポイントに達したら逆張り、逆指値ポイントを抜けたら順張りを意識するといいでしょう。
また、グラフの「%」にも注目してください。
ボリュームのある部分の上下に、どのくらい注文数量があるかによっても異なってきますが、「指値は2%前後」 「逆指値は1%前後」を目安にすると使いやすいです。
オープンポジションの使い方
オアンダ・ジャパンではオープンオーダーの方がより注目されていますが、オープンポジションの使い方も理解しておくと便利です。
基本的な見方をもう一度おさらいしましょう。
オープンポジションは、含み益と含み損の差を確認
相場は、売りの圧力が強ければ下降し、買いの圧力が強ければ上昇するように、売り手と買い手、どちらかの優勢であるかによって、相場は動いていきます。
オープンポジションでは、トレーダーのポジションを見ることで、相場のトレンド(勢い)はどちらが優勢であるかを知ることができます。
使い方ですが、買いポジションと売りポジション同士で、どちらのボリュームが多いかを確認します。
ブルー同士を見ると売りポジションで含み損となっているトレーダーが多く、オレンジ同士では買いポジションで含み益となっているトレーダーが多いのが分かりますね。
つまり、上昇トレンドが優勢という状況です。
売りポジションで損失が出ている人がポジションの解消をすれば、さらに上昇しやすい可能性があると予想することができます。
オープンポジションで上昇トレンドと予想するとき
買いポジションの含み益が多ければ、買いが優勢なので上昇トレンドとなる可能性がある。
売りポジションの含み損が多ければ、損切りにつながりやすいため、上昇トレンドとなる可能性がある。
オープンポジションで下降トレンドと予想するとき
売りポジションの含み益が多ければ、売りが優勢なので下降トレンドとなる可能性がある。
買いポジションの含み損が多ければ、損切りにつながりやすいため、下降トレンドとなる可能性がある。
分かりやすくいうと、現在レートを中心として、上側のボリュームが多ければ下降トレンドの傾向、下側にボリュームが多ければ上昇トレンドの傾向とする見方もできます。
なお今回はデフォルトの「非累積」(買い・売り全てを表示)で解説していますが、「純額」にすれば買いと売りを相殺したグラフに切り替えることが可能です。
2つのグラフを併用して、総合的に判断することが大切
最後にもう一度、両方のグラフに目を通してみましょう。
オープンポジションでは買い手優勢なので上昇が続くと予想します。
また現在、売りポジションで損失となっている人が多く、オープンオーダーでは100.50円にオーダーが集中しています。
なお109.50円では、買い逆指値は1%とそこそこの数量があるのでストップロス狙いの動きがありそうな反面、売り指値は1%なので反転するほどのパワーはなさそうだとも考えられます。
今回の例では、
「ロングポジションを保有するとしたときストップロスは109円、109.50円の動向に注目しつつ、上昇したら110円で手仕舞いにする。」
といった戦略を立てることもできます。
このように、オープンオーダー・オープンポジションを使うことで、さまざまな戦略で今後の値動きの分析に使うことができます。
OANDAへのアクセス方法
こちらから、オアンダ・ジャパンのオープンオーダー・オープンポジションのページにアクセスができます。
普段スキャルピングやデイトレードを行なっていて、マメに利用したい方は、上記URLか、ウィジェットを搭載する当サイトをブックマークしておくと便利です。
最後になりましたが、あくまでもオープンオーダー・オープンポジションを過信してはいけません。
このツールを使う方は、テクニカル指標を主体とした分析の補助ツールとして、戦略に取り入れていくことが大切です。