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OANDA オープンオーダーブックについて(その2)

1.オープンポジションの使い方

a.オープンポジションの基礎

OANDA基礎

1.今より高い価格で売られているポジション=売りの含み益

2.今より高い価格で買われているポジション=買いの含み損

3.今より安い価格で売られているポジション=売りの含み損

4.今より安い価格で買われているポジション=買いの含み損

価格帯ごとに、どれくらいのポジションが入っているのかを表示しています。また初期設定では、特にポジションが多くある価格帯を、買いと売りともに2つずつ表示しています。

オープンオーダーにも共通しますが、オーダーブックを見る場合には、現在の価格をまず最初に確認しましょう。ここを中心として、上にあるか、下にあるかで、この時点で勝っている人、負けている人はどれくらいのいるのか、どちらが多いのかということが分かります。

b.オープンポジションを使った分析

今含み損になっているポジションは、買いと売りでどちらが多いのかを意識してオープンポジションを見てみましょう。

オープンオーダーにもつながる考え方なのですが、多数のトレーダーが負ける方向に相場が進みやすいというセオリーがあります。言い換えると、人々がより多く損切りする方向に相場は値動きします。

OANDA損切

1.現在よりも高い価格で保有されている状態=含み損になっている買いポジションが大量にある ⇒このポジションが損切される動き、さらなる下落の可能性を考慮しているということ

2.現在の価格より高く買っている人はほとんどいないことを指している

例えばこちらのチャートは、2019年8月8日時点の豪ドル円日足です。75円くらいから70円まで急落したあとの状況ですが、注目していただきたいのは今よりも高い価格で買ったポジションがたくさん残っている点。このチャートでいえば、80円に近いところで買ったポジションもまだ保有されていますが、このポジションは800pips(8円)という大きな含み損になっています。

逆に今より高い価格で売られているポジションはほとんどありません。

この状態からさらに下げ続けると、今より高く買って我慢している含み損ポジションは、証拠金不足で強制ロスカットになるか、投資家が諦めて損切りをする可能性が高くなります。買いポジションを決済するわけですから、売りがさらに発生してもう一段階下げるかもしれない、と判断することができるわけです。

FXの相場における暴落は、ほぼこういったメカニズムで発生します。2019年1月3日早朝に起きた大暴落であるフラッシュクラッシュもしかり。買いポジションを持って我慢している人が耐えきれなくて次々と損切りをすることで、下落と売りが連鎖して大暴落となります

たくさんの資金を動かしているヘッジファンドなどのプロは、一般投資家のポジションを刈り取るような値動きを意図的に起こし、短時間で大きく動く相場を狙って作ろうとします。

オープンオーダーにはさまざまな活用法がありますが「今、困っているのは買い方と売り方のどちらなのか?」という視点はぜひ意識してください。

2.オープンオーダーの使い方

a.オープンオーダーの基礎

OANDA基礎2

1.今より上がったら売る注文=売りの指値

2.今より下がったら売る注文=売りの逆指値

3.今より上がったら買う注文=買いの逆指値

4.今より下がったら買う注文=買い指値

どの価格帯に、どれだけ買い、あるいは売りの注文が入っているかを表示しています。

また初期設定では、特に注文が多く入っている価格帯を、買いと売りともに2つずつ表示しています。

入っている注文は、新規にポジションを持つものと、持っているポジションを決済する両方が表示されていますが、後者の決済注文の方が重要です。

b.オープンオーダーを使った分析

オープンオーダー活用のポイントは、今より上がったら買う=買いの逆指値と、今より下がったら売る=売りの逆指値の注文のボリュームがどれだけかがポイントとなります。

この2種類の逆指値注文は、基本的にポジションを損切りするための注文と解釈してOK。買いの逆指値は、今より上がったら売りポジションを損切りする買いの決済注文であり、売りの逆指値は今より下がったら買いポジションを損切りする売りの決済注文です。

オープンポジションのところで、多くのトレーダーが負ける方向に相場が動きやすいと説明しましたが、オープンオーダーも同じ発想で見ましょう。つまり、逆指値注文がたくさんある方向に相場が進むことが多くあります。

OANDA相場変動2

例えば上のチャートでは、現在価格のすぐ上の買いの逆指値の方が、すぐ下の売りの逆指値より多いので、目先では買いの逆指値を消化する方向に相場が動きやすいと解釈できます。

なお、ここまで解説してきた「なぜ人々が負ける方向に相場が進みやすいのか、なぜ損切りさせる報告に相場が進みやすいのか」ですが、決済はまとめて行われることが理由の1つになります。

オープンオーダーで解説した豪ドル円の買いポジションは、さまざまな価格帯にある程度均等に入っていましたよね。このように、投資家が新規エントリーするタイミングはバラバラです。

それに対して、決済の注文はある程度同じようなタイミングで発生しやすいと言えます。例えば重要な水平ラインの少し先だったり、節目となる価格(100円ピッタリ)だったり。こういった重要なラインを突破すると一斉に損切りの注文が有効になり、急激な値動きになります。オープンオーダーは、このように損切りが集中している価格帯を知るために有効です。

また、短期間で大きく動くと、多くのポジションが強制ロスカットになるため、これまた同じタイミングで同方向に注文が集まるきっかけとなります。1月3日のフラッシュクラッシュはまさにこの典型。さらにあの暴落は、多くの人がお正月休みだった時期の早朝に発生しています。相場の異変に気付いて手動決済することが難しいタイミングだったことも、暴落を加速させました。

このように、人々がまとめて損をして一方向に損切りが発生するタイミングこそ、相場が急激に動く主要因です。オープンポジション、オープンオーダーを活用することで、こういった強いトレンドを予測できるようになります。

3.MT4にオーダーブックを表示して高度なチャート分析

a.オーダーブックの設定

OANDAに口座を作り、MT4にオーダーブックを導入後の主な設定を解説します。

OANDAオーダーブック2

【1】表示する情報

オープンポジション(ポジション情報)とオープンオーダー(注文情報)の切り替えができます。

【2】グラフ

純額と売り買い両方の表示を切り替えられます。

純額

OANDAM純額

買いと売り、多い方から少ない方を差し引いて残ったポジション量、注文量を表示します。買いより売りが多ければ買いだけ、売りが多ければ売りだけ、両者が同じ量なら何も表示されません。

売り買い両方

OANDAM売買

売りと買いのポジション量、注文量をそのまま表示します。

【3】買い・売り注文の各ライン数

特にポジションや注文が多い価格帯を何個表示するかを選べます。0にすれば表示されません。

【4】色の設定

オーダーブックのデザインを変更できます。